年中、湿疹やニキビなどの肌トラブルに悩まされているという方は、少なくないのではないでしょうか。
湿疹は、汗や摩擦などさまざまな原因で発生します。
夏は汗で蒸れて、冬は空気の乾燥によって起こりやすくなるのです。
湿疹は全身にできる可能性がありますが、特にデコルテにできやすいといわれています。
湿疹ができてしまった場合は、まずは湿疹の種類を特定して、それに合わせて対策していきましょう。
ここでは、デコルテに湿疹ができやすい理由と対策法をご紹介します。
■まとめ
湿疹と言ってもさまざまな種類があります。種類によって原因やケア方法が異なるため、間違ったケアを続けることで悪化を招く恐れがあるのです。
まずは、湿疹の種類を見極めましょう。自己判断できない場合は、医師に相談することをおすすめします。
ここでは、デコルテの湿疹の種類や原因をご紹介します。
湿疹とは、主に炎症により引き起こされた表皮の変化のことを言います。
皮膚には、外部刺激から肌を守るバリア機能が備わっているのですが、バリア機能が低下していると、健康な人が影響を受けないようなハウスダストや紫外線などの影響を受けて、湿疹などが現れるのです。
接触性皮膚炎は、肌が刺激を受けることで赤いブツブツや皮膚の盛り上がり、水疱などの症状が現れることです。
「かぶれ」と呼ばれており、かゆみや痛みをともなうこともあります。
接触性皮膚炎には、刺激性皮膚炎とアレルギー性皮膚炎があります。
【刺激性皮膚炎】
虫刺されや植物などによる炎症
【アレルギー性皮膚炎】
個人が持っているアレルギーによる反応
(食品、金属、ハウスダスト、ダニなど)
症状の原因となっている可能性のある金属系のアクセサリー、食品、ハウスダストなど物質を特定しましょう。
金属や食品の場合は徹底的に避け、ハウスダストの場合は、部屋をこまめに掃除し、清潔に保ちましょう。
内因性皮膚炎は、ストレスやアレルギーなど身体の内側に問題があるために起こる症状です。
皮膚のバリア機能低下、遺伝的・環境的な要因など
バリア機能を保つことが必要です。そのためのスキンケア方法は、清潔な皮膚を保つための入浴と、皮膚のうるおいを保つための保湿です。
また、内因性皮膚炎(アトピー性皮膚炎)は、掻くことで症状が悪化しますので、出来るだけ掻かないようにしましょう。
脂漏性皮膚炎は脂漏性湿疹とも呼ばれ、皮脂腺が多い胸元や太ももの付け根などに発症しやすいとされています。
かゆみや赤みをともなったり、皮膚がめくれたりすることがあります。改善しないまま放置すると、酸化した皮脂がニオイを放つことがあるため、早めに治療を受けることが大切です。
皮脂の過剰分泌に繋がるアルコールや脂質、糖質、ナッツ類、コーヒー、香辛料の摂りすぎが原因となります。
脂質をコントロールするビタミンBを多く含むキャベツ、トマト、ホウレンソウ、牛乳などを十分に摂るようにしましょう。
皮脂を洗い流し、清潔に保つことも大切なため、毎日欠かさず入浴するようにしましょう。
皮脂欠乏性湿疹は、乾皮症とも呼ばれ、肌のバリア機能が低下することで肌が乾燥する症状です。
肌が乾燥すると、肌の表面にある角質が剥がれてしまい、外部刺激に弱くなってしまいます。
ガサガサとしたり、白い粉をふいたりすることが主な症状ですが、表面がひび割れてしまうこともあります。
そうなると、痛みやかゆみをともなうようになります。
肌の乾燥が主な原因となります。
クリームを塗って保湿をしたり、室内では空気の乾燥によって肌の水分が奪われていくので湿度を適度に保ったりすることが必要です。
デコルテのうち、首元は皮脂腺が少ないため、乾燥しやすくなっています。
洗浄力の強い石鹸でゴシゴシと洗うと、皮脂を落としすぎてしまうことで、肌のバリア機能が低下する可能性があるのです。
逆に、胸元は皮脂腺が多いので、ある程度しっかり洗わなければ酸化した皮脂による悪影響が出る可能性があります。
また、ゴシゴシと洗うことによる刺激でメラニン色素が分泌されて、肌に沈着することで黒いシミのようなものができる恐れもあります。
メラニン色素の沈着は、簡単に改善することができないので注意しましょう。
石鹸はそのまま使うのではなく、しっかりと泡立てた上で撫でるように洗いましょう。
そして、肌に洗浄成分が残らないようにしっかりとすすぐことが大切です。
肌に洗浄成分が残ると、刺激によって湿疹ができてしまう可能性があります。
また、もともと乾燥肌なのであれば、石鹸を使って洗うのを2日に1回にするなど工夫しましょう。
デコルテの湿疹の種類を突き止めたら、それぞれに合った対策を行いましょう。
種類を自分で突き止めることができない場合は、クリニックを受診してください。
薬を処方された場合は、指示に従って服用し、セルフケアを続けましょう。
ターンオーバーの周期を整えるために、まずはマッサージで血流を促すことをおすすめします。
間違った方法でマッサージをすると、肌に過剰な刺激が及ぶ恐れがあるので、正しい方法を知っておきましょう。
マッサージの前に身体を洗い、化粧水や乳液で保湿ケアをしましょう。
指にクリームやオイルをなじませたうえで、次のようにマッサージしてください。
ターンオーバーの周期を整えるために、まずはマッサージで血流を促すことをおすすめします。
間違った方法でマッサージをすると、肌に過剰な刺激が及ぶ恐れがあるので、正しい方法を知っておきましょう。
マッサージの前に身体を洗い、化粧水や乳液で保湿ケアをしましょう。
指にクリームやオイルをなじませたうえで、次のようにマッサージしてください。
(1)指3本を使って両耳の下あたりをマッサージしましょう。くるくると円を描きながら優しくマッサージしてください。
(2)首を通り、鎖骨の中央付近までマッサージしながら指を動かしていきましょう。これを5~6回くり返してください。
(3)次に指3本を胸の中央付近に当て、適度に指圧しつつ円を描くようにマッサージし、V字になるように鎖骨まで指圧していきます。これを3回くり返してください。
(4)ピースをして、鎖骨を挟むように内側から外側、今度は外側から内側へマッサージしていきます。それぞれ3回往復させましょう。
デリケートな肌には化粧品にも気を使わなければいけません。
デコルテの湿疹に効果的な化粧品を3つご紹介します!
「パピュレ~Papure~」はデコルテにできたニキビを、保湿、美容、美白の三つの観点からケアする薬用ローションで、ニキビに限らず、茶色く色素沈着してまったお肌にも使えるのでお肌をケアできます。
オルビスの「クリスタルモーション」はアットコスメのネック・デコルテケア部門で1位を獲得した実績のある薬用ニキビジェルです。
女性の胸元・デコルテラインなどの体ニキビを集中的にケアするために開発されおり、またオールインワンジェルも特徴の一つです。
使用上の注意点としては、表面の伸びは良いですが、しっかりとなじむまでは他のジェルと比べて少し時間がかかるとうポイントがあります。
ちゃんと両手で温めてから塗っていけば問題はありませんが、肌の上で直接なじませようとするとべたつきが残ってしまうので注意が必要です!
使用後はしっとり感が強めに保湿をされて、無添加なので刺激も感じることはありません。
ブランジュールはデコルテの集中ケアのために作られた医薬部外品のジェルクリームです。
くすみ、シワ、シミ、首元にお使いいただけます。
商品名 | タイプ | 値段(税込) |
---|---|---|
パピュレ | ニキビ用 | \8,890 |
クリスタルモーション | ニキビ・ブツブツ用 | \9,000 |
ブランシュール | かぶれ・吹き出物用 | \7,560 |
湿疹ができてから対処してもよいですが、それだと改善するまで悩み続けることになります。そのため、湿疹ができにくい健康な肌環境を作ることが大切です。
ターンオーバーを整え、肌によい生活をおくりましょう。
ターンオーバーを促したり肌の調子を整えたりするために、栄養バランスに優れた食事を摂りましょう。以下のような栄養素を重点的に摂ることが大切です。
皮膚を修復したりターンオーバーを整えたりする働きを持ちます。ニンジンやかぼちゃ、豚・鶏レバー、うなぎなどに多く含まれています。
ビタミンB1、B2、B6などには、皮膚や粘膜の成長促す働きがあります。そのため、ビタミンB群の不足は肌トラブルに繋がります。
豚肉や乳製品、卵、大豆、かつおなどに多く含まれています。
活性酸素による肌の老化に対抗する抗酸化作用を持つ栄養素です。また、シミやそばかすを引き起こすメラニン色素を抑える働きもあります。
ビタミンCは、みかんやいちご、ブロッコリー、ホウレンソウ、白菜などに多く含まれています。
抗酸化作用や血行促進作用があります。植物油や赤ピーマン、ナッツ類などに多く含まれています。
ターンオーバーを活性化させる働きがあります。牛肉や牡蠣などに多く含まれています。
肌の水分を保つセラミドは、ブロッコリーやこんにゃくに多く含まれています。
身体は、交感神経と副交感神経で成り立つ自律神経によってコントロールされています。
適度な運動によって交感神経と副交感神経がベストな状態に保たれると、血流がよくなります。そのため、適度な運動が肌の健康を保つことに繋がるのです。
健康増進を目的とする場合は、ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動をおすすめします。
飲酒や喫煙は血行不良を招くため、できるだけ控えることが大切です。
最終的にやめたいのであれば、医師に協力してもらいましょう。無理にやめようとすることでストレスが溜まり、かえって血行が悪くなる恐れがあります。
その結果、ターンオーバーが乱れて湿疹などの肌トラブルができやすくなるのです。
禁煙外来やアルコール依存症外来などを利用しましょう。依存症でなくても、禁酒のためのアドバイスを受けることができます。
血流の悪化を招くストレスは、湿疹の大きな要因の一つです。ストレスを全く受けないようにして過ごすことは難しいので、こまめに解消することを心がけましょう。
間違った方法で身体を洗い、保湿をせずに過ごしてしまうと、肌トラブルが起こりやすくなります。
また、自分に合わないボディソープを選ぶことも湿疹のリスクを高めるのです。ボディソープの選び方や肌が弱い場合の洗い方、肌質に合わせた保湿方法をご紹介します。
肌が弱い原因は、乾燥です。乾燥の原因は多岐にわたり、生活習慣を改善するだけでは解決できないこともあります。
そのため、乾燥とうまく付き合っていくために、乾燥肌にも使えるボディソープを選ぶことが大切です。
洗浄力が強いボディソープを使うことで、肌の保湿成分が洗い流されて、さらに肌トラブルが起こりやすくなります。
肌が弱い方のボディソープの選び方は次のとおりです。
肌は弱酸性に保たれています。洗浄力が強いボディソープはアルカリ性になっており、肌にダメージを与えるのです。
弱酸性でやさしい洗浄成分が含まれたものを選びましょう。
植物性セラミドなど、乾燥した肌をうるおわせるボディソープが販売されています。
保湿効果が高い乾燥肌向けのボディソープを選びましょう。
ボディソープを泡立てずに使うと、肌に刺激が及びます。泡立てることが面倒な場合は、最初から泡がでてくるボディソープを選びましょう。
肌が弱い場合は、身体の洗い方により一層注意が必要です。
まず、身体を洗うのにタオルやスポンジは使わないようにしましょう。素手で、しっかり目に洗っていきます。
それだけでは皮脂や菌などを落とすことが難しいので、皮膚を傷つけないように注意しつつ揉み込むイメージで洗ってください。
また、身体のふき方にも注意が必要です。タオルでこするのではなく、軽く皮膚を押さえるように水分を吸収させてください。
保湿の方法を誤ると、肌が刺激を受けやすくなる可能性があります。
乾燥肌や脂性肌、敏感肌など自分の肌質に合わせて保湿しましょう。それぞれの肌質に合った保湿方法をご紹介します。
乾燥肌の方は、化粧水でどれだけ水分を補ってもすぐに蒸発してしまいます。これは、セラミドや天然保湿因子など水分を保つ成分が少ないためです。
化粧水の後には、乳液やクリームで油分を保給しましょう。
皮脂が過剰分泌されておりベタベタとしているため、保湿ケアは不要と思う方もいるのではないでしょうか。
実は、肌がベタベタしていても、内部が乾燥していることがあるのです。そのため、化粧水による保湿ケアが必要です。
皮脂をエサにして雑菌が増殖する恐れがあるので、抗菌作用のある化粧水をおすすめします。
混合肌は、部位によって乾燥肌であったり脂性肌であったりする肌質のことです。
ベタベタしている場合は脂性肌のケアを、かさついている場合は乾燥肌のケアをしてください。
少しの刺激で肌トラブルが起こるようなデリケートな状態を指します。添加物やアルコールなどが含まれていない化粧品で保湿ケアしましょう。
また、セラミドやヒアルロン酸などが含まれたものもおすすめです。
皮膚炎がなかなか治らない場合は、クリニックで治療を受けましょう。
かゆいことによってかきむしると、患部が広がってしまったり、色素沈着を起こしたりするおそれがあります。そうなる前に治療を受けましょう。
皮膚炎ごとのクリニックでの治療法をご紹介します。
クリニックでは、接触性皮膚炎に対してステロイド外用薬を使用することがあります。
また、かゆみが強い場合は、抗アレルギー剤の内服薬と外用薬を併用することもあります。
症状が消失すれば治療は完了ですが、原因を突き止めて避けるようにしなければ何度でも再発します。
そのため、接触性皮膚炎に関してはクリニックを受診すれば必ず治るという訳ではありません。
内因性皮膚炎が悪化すると、かゆみで夜も眠れなくなり、ストレスが溜まることがあります。それによって、余計に湿疹が出やすくなることもあるのです。
そのため、自宅でのケアだけで改善が見込めない場合は、速やかにクリニックで治療を受ける必要があります。
民間療法は、ほとんどの場合に悪化するといわれているので、セルフケアといっても保湿やアレルゲンを避ける程度に留めておきましょう。
クリニックでは、ステロイド外用薬を中心として、抗ヒスタミン薬や非ステロイド消炎薬などを使用します。
また、乾燥を改善して刺激に強くするために、白色ワセリンや尿素軟膏などを使用することもあります。
症状が消失する前に薬をやめてしまうと、再び症状が悪化するおそれがあるので、医師の指示に従って治療を続けましょう。
脂漏性皮膚炎の治療には、ステロイド外用剤などを使用します。しかし、慢性疾患であるため、ステロイド外用剤の使用をやめると、再び症状が現れる傾向があります。
ステロイド外用剤には副作用があるので、医師の指示に従って使いましょう。
また、ケトコナゾールという抗真菌薬が有効ともいわれており、ステロイド外用剤による副作用に悩むことなく治療できる場合もあります。
かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー剤を用いて、症状をコントロールすることも可能な場合があります。
また、肌の調子を整えることを目的として、ビタミンB2やB6などのサプリメントを処方する場合もあります。
関連記事:デコルテニキビの原因やおすすめクリニック
ここでは、デコルテにできる湿疹の種類や原因、対策、クリニックでの治療についてご紹介しました。
デコルテの中でも首元は皮脂の分泌が少なく、胸元は皮脂の分泌が多いので、部位に合わせて適切にケアすることが大切です。
デコルテの湿疹において、日常的に注意すべきことは次のとおりです。
湿疹は、放置すると悪化する場合があります。また、患部がかゆいために、かきむしってしまい、難治性になることもあるでしょう。
そうなる前に生活習慣を改善して、症状を和らげることが大切です。症状が改善しない場合は、速やかにクリニックを受診しましょう。
クリニックでは、ステロイド外用剤や抗ヒスタミン薬など、症状をコントロールする薬を処方してもらえます。
また、内因性皮膚炎や接触性皮膚炎などに関しては、原因物質を突き止めることも大切です。
原因を取り除かなければ、何度でも発症する可能性があります。
そういったことも含めて、医師に相談するとよいでしょう。